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大雪の日に思う


去る1月14日は歴史的な大雪が東京に降りました。

公共交通機関や道路交通事情に多大な影響を与え、東京のような大都市のあちこちで機能停止になってしまうような大雪でした。

まだ祝日だったので、よかったと思うのは私だけではないでしょう。

大雪は東京では珍しいのですが、私が子どもの頃に暮らしていたオーストリアの田舎町ではそれほど珍しいものではありませんでした。

むしろ、冬になると、自宅の周りにはいつも雪があるくらいの、雪国でした。

私には大雪を見るといつも思い出す、一つのエピソードがあります。

それは、オーストリアに家族で引っ越してから、最初の冬の、最初の大雪のことでした。

私たち兄弟は、初めて見るオーストリアの大雪に大興奮でした。

「そうだ!この間、買ってもらったスキーを履いて、スキー滑ろう!」

と真ん中の弟が言い出しました。

オーストリアはスキー国で有名です。

冬はスキーかアイスホッケーしかやることがないからと言って、私たち兄弟に父がスキー一式を買ってくれたのでした。弟はそれを早速試そうと言うのです。

「よし!やってみるか!」

私たち兄弟は、早速スキーウェアに着替え、スキー靴を履いて、スキーを担いで、外に飛び出し、家の隣の空地に向かいました。

その空地は非常に大きな空地で、好都合なことに、緩やかな傾斜がついていたのです。

生まれて初めてスキーを履く我々にとっては、適した場所だったのですが、それでも、スキー板がツルツルと滑ってしまうので、実に怖い思いをしたのを覚えています。

しんしんと雪が降り積もるなか、スキーがどうしても上手く滑れず、何度も何度も転倒して、兄弟三人とも雪まみれになって、夢中で格闘していました。

すると、遠くの方で、「Atsushi ! Atsushi !」と呼ぶ声が聞こえてきました。

こんな大雪の降るなか、誰が私の名前を呼んでいるのだろうと思って、道路の方を見ると、私のクラスメートで、隣に座っていたPockでした。

Pockは身体の大きな、スポーツ万能な少年で、とても人懐っこく、好奇心旺盛で、たまたま隣に座ったこともあって、東洋人である私に色々と気を使ってくれる親友の一人でした。

「一体、こんなところで何しているんだい?まさか、こんな緩い斜面でスキーかい?」

「そうなんだ。僕たち兄弟は今日、初めてスキーを履いたんだよ。さっきから何回やっても、この斜面を上手く滑れないんだ。どうしても転んでしまうんだ。」

「そりゃ、見てればAtsushiたちがど素人だって直ぐ分かったよ。その滑り方じゃ、何回やっても滑れるようにはならないよ。」

「・・・・・・・・・・」

「よし、じゃあ、俺が少し教えてやるよ。なあに、少しコツを覚えたら、直ぐに滑れるようになるさ。大丈夫。」

突然、現れた「俄かスキーインストラクター」に私たちは大喜びでした。

それから、Pockのスキー特訓が始まりました。

思い返すと、どちらかと言えば、親友としては大変「厳しい」指導だったと記憶しています。

でも、そのおかげで、私たちは、その数時間後には、それまで転倒ばかりしていた斜面を何とか転ばずに滑り降りることができるようになったのでした。

そのときの感激と言ったら、今でも思い出せるくらいです。

もうとてつもない、達成感!そして高揚感!

私たちはそのとき以来、すっかりスキーに魅せられてしまったのでした。

Pock先生も一緒になってエキサイトしてました。

私とスキーの最高の出会いを演出してくれたPock。

今でも感謝しています。

そういえば、あのときどうしてPockは、大雪のなか、あの空地を通りかかったのだろう?

オーストリア人ですら外出を控える位の大雪だったはずなのに。

今でもちょっと疑問です。

そんなオーストリアでの特別な一日。

大雪は、いつも私に思い出させてくれます。

 

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